高安動脈炎

疫学

病態としては大血管炎に分類され、典型的には40歳未満の女性で考えるべき疾患である(ただし、年齢は診断している年齢よりも、血管炎を示唆しうる症状の出現時で考えるべきだろう)。

大血管炎はその名の通り大血管を中心に炎症をおこす疾患であり大動脈、およびその分枝(頸動脈、鎖骨下動脈、腸管膜動脈、腎動脈、総腸骨動脈などなど)が主座となる。

疾患としては高安動脈炎と巨細胞性動脈炎(昔は側頭動脈炎とごっちゃになっていたが、側頭動脈を侵さない巨細胞性動脈炎の報告も多数あり、同一視するのはもはや許されない)が2大巨塔であり、他の血管炎と比較して臓器虚血症状が出にくいのが大血管炎の特徴である。

ーーー※以下イメージで説明してます笑、膠原病の先生、テキトウな説明ですみません。ーーーー

例えばANCA関連血管炎は小血管炎なので、大血管炎より血管が狭窄、閉塞しやすいから腎機能障害とか中耳炎とか咳嗽とか臓器特有の症状で受診するのに対し、大血管炎は、、、やっぱり太い血管を侵すのでそれが狭窄して症状が出るまで時間がかかるんですよね、誤解を恐れずに言うと、大血管炎は中血管や小血管炎比較して不明熱でくる頻度が高い、、、、はずです。

高安動脈炎と巨細胞性動脈炎の鑑別ポイントはやはり年齢でしょう。普通巨細胞性動脈炎は50歳以上で疑う疾患ですからね。あとは罹患血管分布。

巨細胞性動脈炎は上行大動脈,下行大動脈,腋窩動脈が多いのに対し、一方,高安動脈炎は,内頸動脈や鎖骨下動脈,腸間膜動脈,腎動脈が多い。

H and P

注目するポイントは2つ。

①全身の慢性炎症による症状
→微熱、倦怠感、筋肉痛、体重減少

②特定の血管炎の症状にfocusをあてる
→上肢跛行、下肢跛行、頭痛やめまい、失神など
※失神の場合首をかしげたり上方視、上肢使用後の失神のはず
→鎖骨下盗血症候群、頸動脈洞過敏症によるもの

フィジカルは動脈拍動や血管雑音を見るといいでしょう。

左右上下肢の血圧差(ABIが手取り早い)、血管雑音を聴取。

検査

簡単なスクリーニングは血管エコーで血管壁肥厚を見るのがいいでしょう。

きちんと評価するなら造影CT、MRI(←被爆の件からMRIが好まれる傾向にある)、FDG-PETなどが考慮されます。

鑑別疾患

大動脈周囲の脂肪式濃度の上昇、血管炎

  • 大動脈瘤切迫破裂
  • 感染性動脈瘤
  • 炎症性動脈瘤(IgG4関連など)
  • 巨細胞性動脈炎

大きく感染、膠原病、悪性腫瘍、薬剤性に分かれ、特に薬剤性があることは知っておいていいでしょう。

  • G-CSF製剤
  • 免疫チェックポイント阻害剤(irAE)
  • 化学療法(シスプラチンなど)

参考文献

hospitalist 膠原病2(48p)
https://store.isho.jp/search/detail/productId/2105589410

内科診断リファレンス(651p)
https://store.isho.jp/search/detail/productId/2406484300

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