はじめに
救急では基本となるABCDの評価。
いざ一人でやるとなったら、どこを確認すればいいでしょう。
以下の短歌式覚え方でぜひ覚えてみましょう。
30秒でcheck! ABCD評価
質問後、肩に手をかけ、脈を触れ
呼吸を合わせて、「はいおしまい」
(by なんでも内科)
- 「今日はどうされましたか?」
→すらすら答えられればA、DはOK- 肩に手を置き、呼吸を合わせる
→頻呼吸なら頚部、腹部見てBの詳細評価- 脈を手で触れる
→冷感、CRT、冷や汗などを確認する
ちなみに、ABCDのどれか1つでも障害されていれば挿管の適応です。
鎮痛、鎮静剤とともに物品を準備してもらいましょう(実際やるかどうかはさておき)。
Airway(気道)
基本声が出ていれば気道は問題ないです。
逆に声が出せない、ガラガラな声(あつあつのジャガイモを口に含んだような声、hot potate voiceと言われます)は気道閉塞の危険性が高いので、emergencyです。
以下の所見もAの問題を示唆します。
- 顎を突き出してないか(sniffing position)
- 開口障害、流涎の有無
- 胸鎖乳突筋の使用
- stridor、低酸素血症
気道閉塞を疑う状況での禁忌
- 寝かせない(基本座位)
- 舌圧子つっこまない、吸引しない
- 鎮静薬、筋弛緩薬を使わない
鎮静薬、筋弛緩薬は咽頭筋などの呼吸筋を弛緩させ、気道閉塞を助長する可能性があるので使いません。
Breathing(呼吸)
主に気道以下の病変(気管支、肺など)を示唆しますね。言うまでもなく呼吸回数RRが大事です。他SpO2や呼吸音はもちろん、呼吸回数も自然に注目できるようになりたいですね。
呼吸回数をしっかり測定したいところですが、ぶっちゃけ早いか早くないか(20-24がcut off)がわかればいいので患者に合わせて呼吸してみるのが一番早い。
その場合、患者に普段と同じ状態で呼吸してもらわないと意味がないので、僕は「脈をとりますよ」とかテキトウなこと(願わくば患者の意識が呼吸から離れるような発言)を言ってこっそり呼吸回数、呼吸様式に注目します。
服を着ている状態だと、胸郭の動きが見えず呼吸回数がわかりにくい人がいます。その場合、肩に手をおくと非常にわかりやすいです(呼吸回数がよくわかる)。
視診での注目ポイントは吸気は頚部、呼気は腹部に注目することですかね。
吸気では陥没呼吸(吸気時に肋間が陥凹)、鼻翼呼吸、胸鎖乳突筋を使用しているか。すべて頚部を見れば確認できます。
呼気では呼気筋である腹直筋の緊張の有無、口すぼめをしていれば呼気時にwheezeが聞こえるかどうかも確認しましょう。
Circulation(循環)
手を握りましょう。とりあえず「冷た!」ってなれば冷感ありとみなして循環不全の所見です。気を引き締めること。濡れていたら、おそらく冷や汗です。
冷感、冷や汗、CRT、チアノーゼ、BP 、網状皮斑、尿量などなど、、、、。
HRの評価の際、βブロッカーを飲んでいる場合頻脈になりにくいので注意しましょう。
Disability(意識レベル)
名前、時間、場所を尋ねて見当識について調べる、、、、のが教科書的評価です。
まぁそんなことしなくても「今日はどうしましたか?」に対し、にすらすら病歴を答えられれば基本は大丈夫です(質問に答えている時点で声がしっかり出ているのでAも大丈夫ですね)。
ただし、会話ができても”普段との様子が違う場合”も意識障害の可能性があります。ここは我々だけでと判断できないので家族や付き添いに聞くのがいいでしょう。
意識障害あっても名前、時間、場所の見当識が保たれている人多いんですよね、特に若い人。