ショックの対応、鑑別;②敗血症性

医学総論

はじめに

敗血症性ショックについてまとめます。

参考文献

INTENSIVIST 16巻2号 (2024年4月発行)
(https://webview.isho.jp/journal/toc/18834833/16/2)

ICU/CCUの薬の考え方,使い方 ver.2
(https://store.isho.jp/search/detail/productId/1804501450)

日本版敗血症診療ガイドライン2024
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicm/31/Supplement/31_2400001/_pdf/-char/ja)

central illustration

診断について

後日追記します。すみません。

初期対応

さて、まず認識した段階での初動は以下3つ。

敗血症性ショックの3大初期対応

  • 輸液(細胞外液)
  • 昇圧剤
  • 抗生剤
    ※血液培養2-3setを必ず採取
    ※感染ソースコントロールを
    外科的に行うことを常に意識!

蘇生輸液

細胞外液1択です。生理食塩水よりリンゲル液(調整晶質液と呼ばれる)が望ましいとされていますが、ガイドラインでも弱い推奨程度なので正直どちらでもいいかと。

個人的にはAKIで高K血症が懸念されるような人であれば生理食塩水にしています、リンゲル液でも4mEq/L程度のカリウム負荷なので微々たるものかもしれませんが、チリも積もれば何とやらですし。

目安として「3 時間以内に 30 mL/kg」(50kgであれば1500mL、補液バッグ3本分)が言われていますが、当然がばがば補液していればあとでうっ血の害に苦しむことになります。

しかし、初期対応の時点でうっ血がどうこうとか言ってる場合ではありません。心機能に関わらず状態が安定するまでは補液全開。ルートはなるべく20G以上の太い抹消静脈路、複数あればなおよし。肘正中を狙ってとりましょう。昇圧剤も(抹消からでいいので)ノルアドレナリンを開始してください。

安定すれば輸液速度を遅くして様子を見ますが、もっぱらICUでの仕事でしょう。救急外来の場で輸液量の調整は(少なくとも状態安定するまでは)必要ないです。他にもやることいっぱいありますし。

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また極論、、、、、て言われるかもしれませんんが、この輸液調整に頭使っている暇なんて救急外来ではありません。敗血症性ショックは感染源の特定とソースコントロールが最も大事なことです。そこに神経を使うべきです。

人がたくさんいる状況やショック対応に慣れている施設なら良いですが、「集中治療に長けている人がたくさんいる!」、、、、、、なんて現場で思うシチュエーションはなかなかないでしょう。

感染のソースコントロール、抗生剤の検討、他全身管理と並行して輸液コントロールは、、、、、、って実際の現場で一人でやるのは難しいと思うんですよね。

なので初期対応の時点では何も考えずに細胞外液、全開の指示でいいと思います。

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ちなみにHES製剤(商品名としてはボルベン)は敗血症において禁忌なので使わないでください。いまだに使っている先生(特に上の手癖でやっている先生)いますが、学会から声明出ているくらいなので常識として知っておきましょう。

昇圧剤

第一選択はノルアドレナリンです。「いつから使えばいいの?」ってよく聞かれますが敗血症性ショックと思った瞬間に開始していいと思います。

ノルアドレナリンでも血圧が保てない場合、他の昇圧剤の検討です。

昇圧剤の使用順番

  1. ノルアドレナリン
  2. バソプレシン
  3. アドレナリン or ドブタミン

※ステロイドはバソプレシンと同時期に開始

ノルアドレナリン(NOA)

①shot用(100倍希釈)
NOA 1A(1mg/1mL)+溶媒99mL
計100mL
※1-2ccずつshotが可能
※末梢からでもOK

②持続投与用(10倍希釈)
NOA 5A(5mg/5mL)+溶媒45mL
計50mL
3ml/h(0.1γ)で開始 1ml/hずつ調整
1-9ml/h(0.03-0.3γ)の間で調整
※5ml/hを超えてくれば追加対応の検討

バソプレシン(ピトレシン)

2A(40units/2mL)+溶媒38mL 計40mL
1ml/hで開始 0.5ml/hずつ調整
0.5-4ml/hの間で調整

「収縮期血圧が保たれて、平均血圧も65以上あるのに開始していいんですか?」
「輸液のあとに適応を判断するって教科書に書かれていますが、、、、」

よく勉強していますね、しかし病態のメカニズムを考えましょう。

敗血症による炎症のせいで、末梢血管は拡張していて後負荷が下がっているはず。抗生剤やソースコントロールがどれだけ上手くいっても、数日炎症の影響は残るでしょう。

ってなると数日は『不自然に』後負荷が下がっているはずなんですよね。なのでその不自然に(そして多分確実に)下がっている後負荷を昇圧剤で初期から代償することが悪いことだとは、僕には思えないんですよね。

、、、、、、、、、、、いや、わかりますよいいたいことは。昇圧剤のデメリットや昇圧剤の使用量が多いほど予後が悪いって話も重々承知していますが、大事なのは調整だと思うんです。

そりゃ何も考えずにNOAを初期容量で開始して、気づいたら平均血圧が90でしたとかなったら怒られるし、副作用も出るに決まってるじゃないですか。

昇圧剤を初期投与から開始して、平均血圧が65-75になるよう必要最低限の昇圧剤で済ませていれば、、、、大きな問題はないはず。開始するかどうかを必要以上に神経使って判断するよりも、とりあえず使って必要最低限の容量になるよう調整する、というプラクティスの方が現実的だと思います。

あともう1つ。現場でよくあるのが、初期対応の時点で収縮期血圧だけ見ると意外と保たれている人多いんですよ。「収縮期血圧が100以上あるから大丈夫か!」って判断して、採血見ると思いっきり多臓器不全で、血圧計り直したら70に下がって気づいたら意識が、、、、、、なんて現場あるあるです。

こっからは個人的な推測になりますが(多分あってるけど)、死に瀕している時の代償反応として

交感神経賦活化による末梢血管抵抗の上昇→見た目の血圧(収縮期)が保たれている

って状況は多々あります。そうなると収縮期血圧が保たれていても安心できないんですよ。自験例でも5分で収縮期血圧が120→80に下がってしまった例とかあります。

他に注目するとしたら拡張期血圧ですかね。収縮期血圧が意外と高くても、拡張期がめちゃくちゃ低くて「だから平均血圧が低くて臓器障害がおきてるんだ、、、、」なんて納得したことがあります。まぁ当然なんですけど笑。

とまぁ長くなりましたが、敗血症性ショックだと思ったら、すぐノルアドレナリンを開始して構いません。1ml/hでもいいから繋げておきましょう。繋ぎさえすれば血圧が下がった時にすぐshotして昇圧可能っていうメリットもあります。

初期から昇圧剤を使用することのメリット

  • 補液が減らせる
  • 血圧が下がった時にすぐ対応できる

救急外来だとCV入れている時間的余裕がないと思うので、抹消静脈路から昇圧剤を使用してOKです。

以下記事も参考にどうぞ。

抗生剤

もちろん以前の培養結果や既往歴はできるだけ参照しておきましょう。

抗生剤の選び方

⭐️感染focus、および起因菌が早期特定(想定)できそうか
→可能なら培養採取するまで抗生剤を見送る

  1. focusの特定ができている
    ガイドライン(35ページ;table 2-3-1)に従って抗菌薬を開始
  2. 検体のグラム染色などで菌が特定
    ガイドライン(37ページ;table 2-3-2)に従って抗菌薬を開始
  3. 感染源も起因菌も不明
    →VCMに加えてMEPMかPIPC/TAZを開始
    (自然接触歴あればリケッチア症を念頭にMINO追加)
    →引き続きfocus、起因菌の特定を目指す

※上記ガイドラインの表は下にも掲載しておきます

まず血液培養の先行採取を必ず行いましょう。あとショック患者であれば体温にかかわらず、ルーチンで血液培養採取して良いと私は思います。

実臨床だとあるあるですが、来院時に熱がなくても採血で思いっきりCRPがあがっていて「え、敗血症性ショック?」んで慌てて抗生剤投与しようにも培養とってなくてあたふた、、、、、アホらしいです。

ルーチンで血液培養だけでも先に取っておくことは、メリットがある行為だと私は思います。とっとさえいればすぐ抗生剤も投与できますしね。

願わくば疑っている感染臓器からの培養、尿や喀痰(疑われれば髄液も)も先行採取したいところですが、最低限血液培養の先行採取ができていれば抗生剤を開始していいと思います。特に敗血症性ショックならね、、、、抗菌薬はメインの治療ですし。

さて、感染源が特定できていれば親和性の高い起因菌+個別に考えるべき菌を考えて投与するだけです。

毎回coverを検討するべき5つの菌

・MRSA
・腸球菌
・ESBL産生菌
・嫌気性菌
・緑膿菌

例;敗血症性ショックの市中肺炎(免疫不全なし)

  • 市中肺炎→肺炎球菌、インフルエンザ桿菌など
  • 非定型肺炎→マイコプラズマ、レジオネラなど
  • 5つの菌のうちcoverすべき菌は?
    →緑膿菌(免疫正常でも報告あり)
    他は市中肺炎での想定は不要

⭐️挿管後に喀痰を採取しグラム染色
→グラム陽性の双球菌
→肺炎球菌に絞って抗生剤をde-escalation

って感じで。まぁここは脳死でガイドライン見ても許されるでしょう。

んでぱっと見focusがわからなければMEPM(PIPC/TAZ)+VCMでいきましょう。CFPMも広域ではありますが、嫌気性菌のcoverできないので気をつけて。

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ここも”有識者”はキレるとこですよね知ってます。免疫不全を評価して抗真菌薬の必要性はどうかとか本当に抗MRSA薬は必要かとか、MEPMじゃなくてCTRXでも対応できるとか、、、、、。

ただね、現場からすると「知らんわ!!」って感じなんですよ。国試みたいに既往歴や病歴が全て揃っている状態じゃ絶対ないし、そもそも病歴もまともにわからん、既往もわからん状態で初療をしなきゃいけないなんてザラです。そんな中で「考えうる必要十分な菌をcoverしましょう」とか机上の空論にも程がある。というか、こんなんできるの感染症科で専門研修した医師だけだと思うんですけど(怒)。

僕のお師匠様は「考えうる菌の90%程度のcoverを目指しなさい」っていつも言ってました。なので特別な既往の触れ込みがなければ細菌だけに絞って、僕はMEPM+VCMで初期対応してます。

敗血症性ショックで想定すべき菌(特に市中感染)ならMEPMでもPIPC/TAZでもCFPMでもだいたいcoverしています。この中なら病院のローカル因子さえ把握していれば何でもいいと思います。

皮膚のバリア破綻という免疫不全がぱっと見でなければVCMはなくてもいいかもしれませんが、、、、、市中でも健常者のMRSA感染って結構報告あるんですよね、、、、、、。僕はルーチンで初期投与してもしょうがないと思います。

もし感染症科にすぐコンサルトできる状況なら抗菌薬は(できれば専門的な感染focus検索、ソースコントロールについても)任せましょう。餅は餅屋。

まとめると、「必要十分な菌をcoverすることにこだわって、結局抗菌薬投与が遅れる」のが最悪であって、大事なのは早期投与+de-escalationを常に心がけるmindですよ。その心があればMEPM+VCMでも初回は許されると思います。

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あ、もう1個大事な点を。初回は腎機能無視して初期投与量を投与すること。

腎機能によって抗生剤の投与量を減量するのは2回目以降の投与です。初回はしっかり血中濃度を上げる必要があるので、腎機能を見ないで初期投与量を遠慮なく投与しましょう。敗血症性ショックなんていう感染症の最重症症例ならなおさらです。

追加でさらにもう1つ。

あえて他の起因菌で気にするとしたらリケッチア症ですかね。普通の抗菌薬はききません。虫刺されや自然接触歴などのリスクがあればMINOを追加しましょう。

初期対応で安定しない場合

さて、蘇生輸液の目安(3時間以内に 30 mL/kg)が終わっても血圧が安定しない場合。昇圧剤や抗生剤の追加を考える前に自分の診断がそもそも正しいのかを考える必要があります。

敗血症性ショックの落とし穴
→そもそも本当に敗血症か?

  • 前負荷が足りていない
  • 他のショックの合併がないか
  • 外科的介入が必要な疾患の見落とし

敗血症に見える疾患

難治性の敗血症性ショックの鑑別

  • 発熱を伴うバイタル異常
    • 甲状腺、副腎クリーぜ
    • 褐色細胞腫クリーぜ
    • 悪性症候群/セロトニン症候群
  • 医原性
    →アナフィラキシー
    →皮疹、喘鳴の確認
  • 血管透過性が透過する疾患
    • capillary like syndrome
    • 生着/分化症候群
    • 卵巣過剰刺激症候群
    • 膠原病関連疾患
    • 心停止後症候群(PCAS)

上の疾患は一度疑ってみましょう。capillary like syndromeはいつか記事で書きたいですね、TAFRO症候群とかとまとめて(https://webview.isho.jp/journal/detail/pdf/10.11477/mf.1402227599の記事で僕はきちんと知りました)。

併発しうるショック、疾患について

前負荷が足りているかどうかはエコーでの評価(IVC計と呼吸性変動)が大事。

さて、敗血症自体が他の疾患の原因になりうる疾患です。いくつかあげてみましょう(最後は違いますが、、、、笑)。

  • 敗血症性心筋症
    →心原性ショックの併発
  • 急性冠症候群(type 2の心筋梗塞)
    →心原性ショックの併発
  • 糖尿病性ケトアシドーシス
    →SGLT2阻害剤や糖尿病のチェック
  • DICからの深部出血や脳出血
    →出血性ショックを併発してないか
  • 特殊なタイプの感染症
    →リケッチア症など、「昨日元気で今日ショック」で検索

外科的介入が必要な場合

この疾患群には常に注意を払うべきです。なぜなら内科医だけの管理ではどれだけがんべっても助からないからです。

緊急で外科的処置を必要とする敗血症性ショックの原疾患

  • 感染性心内膜炎(IE)
    →重症MR、ARを合併している場合
  • 消化管穿孔/腸管虚血
    →横隔膜以下の消化管に病変がある場合
  • 壊死性筋膜炎
    →『蜂窩織炎』の疑い
    →皮膚所見の割には疼痛の訴えが強い場合
  • 閉塞機転を伴う感染/膿瘍形成
    ex.胆嚢炎、肝膿瘍、閉塞性尿路感染など

心エコーはかならずやっておきたいですね。ショックの評価のためにもなるし、敗血症性心筋症を疑うような壁運動低下がないか、IEを疑うような弁膜症(特に僧帽弁、大動脈弁など左心系の弁)がないかも見るべし。

また腸管に病変がありそう+バイタルがなかなか安定しない場合は穿孔、または腸管虚血を疑ってください。どでかいfree airがあれば診断も楽勝でしょうけど、初期だとairが目立たない場合があります。

壊死性筋膜炎もデブリしないと助からないですね〜〜。疑うポイントはやたらと状態が悪い『蜂窩織炎』、もしくは「見た目が何ともないのに何でこんな痛がってんだ?」っという視診と訴えの差異がある場合も気をつけましょう。水泡形成や紫斑などあれば気づきやすいが、これらの所見が出ているともう手遅れかも、、、、。

追加で忘れてはいけないのが膿瘍形成。内科的に抗生剤でおせることもありますけど、基本はドレナージです。膿瘍形成を伴う敗血症性ショックは、外科に緊急ドレナージを依頼しましょう。

ICUでの管理

循環〜輸液と昇圧剤〜

昇圧剤

さて、NOAを使っても平均血圧65以上が保てないのであれば他の昇圧剤の出番です。次に使うのはバソプレシンです。

バソプレシン(ピトレシン)

2A(40units/2mL)+溶媒38mL 計40mL
1ml/hで開始 0.5ml/hずつ調整
0.5-4ml/hの間で調整

バソプレシンの使い所はNOAの持続が5ml/hを超えたら使用を検討していいと思います。それでもダメなら、アドレナリンの持続です。

アドレナリン持続

3A(3mg/3mL)+溶媒47mL 計50mL
2ml/hで開始 0.5ml/hずつ調整
1-8ml/hの間で調整

※バソプレシンでも
昇圧剤が足りない時に検討

輸液

以下はあくまでも補液の増減についてだけです。

volume調整について

  1. 循環不全(ショック)は改善傾向か?
    Yes→輸液量を減らして再評価
    No →次へ
  2. 輸液反応性はあるか
    Yes→輸液量を増やす、追加して再評価
    No →ショックの原因検索

上記、詳しくは別記事で書きます。乞うご期待。

アルブミンに関しては、「大量の輸液を必要とする場合に考慮」とガイドラインに記載がありますが、必須とは書かれていません。筆者はICUで「大量に輸液しているなぁ」と感じた場合にアルブミナー5%静注を投与するようにしています(アルブミン‐ベーリング20%静注の小さい方は、アルブミンの含有量は同じですが50mLしかないので、敗血症の輸液目的には使用していません)。

低心機能の場合

勘違いしている人が多いんですが、「心機能悪いから輸液速度は遅めで」っていうのは敗血症性ショックの輸液においては大間違いです。蘇生時輸液において、補液速度、量は心機能を見て調整することはありません。極論ですけど。

もちろん心機能が悪いとうっ血しやすいってのはおっしゃる通りですよ。

が、敗血症の場合は基本hypovolmicなので蘇生期では補液をどんどん入れることが重要になってきます。減量を考慮するのは、あくまでショックを離脱して状態が安定してきた場合に限ります。

さて、時々敗血症のせいで心機能がベースより悪くなっている場合があります(いわゆる敗血症性心筋症)。十分補液しているのに血圧が上がらない(詳しく言うと、十分な前負荷に対して心拍出量が低めな場合)、かつ心機能がベースより悪くなっている症例で初めて強心薬を検討します(ACSなどの虚血性心疾患が絡んでないかは慎重に判断するべきですけどね)。初めから出てくる薬物ではありませんのでご注意を。

ドブタミン

①薄いドブタミン(200mg/200mL)

6ml/h(2γ)から開始、3ml/hごとに調整
9ml/hを越えてくるなら
濃いものを使用することを検討

※抹消点滴でも投与可

②濃いドブタミン(シリンジ150mg/50mL)

3ml/h(3γ)から開始、1ml/hごとに調整

透析の開始基準

緊急透析の開始基準を知ってますか?AIUEOで覚えましょう。

透析の開始基準AIUEO

  • Acidosis(アシドーシス)
  • Intoxication(薬物中毒)
  • Uremia(尿毒症)
  • Electrolyte(電解質)
  • Overload(うっ血)

敗血症性ショックでは主に高K血症、代謝性アシドーシス、尿毒症で検討することとなるでしょう。無尿だけでは適応にならないので注意してください。

初期対応でよくならない代謝性アシドーシスに関しては、透析する前にメイロンの投与を試しましょう。アシドーシスの改善でカテコラミンの効果がよくなる可能性があるので。

ステロイド

これも早めに使いましょう。ノルアドレナリンでも対応が困難な敗血症性ショックという触れ込みなので、現実的にはバソプレシンとセットで投与すると覚えてしまって大丈夫です。

ステロイド持続

ヒドロコルチゾン(ソルコーテフ)
200mg+ 溶媒 48mL
2ml/hで持続

ステロイド200mg(ソルコーテフ)を持続か間欠的(50mgを4回/日)に投与するのがテンプレートで、持続と間欠投与でどちらがいいかは明確な結論がでていないようですね。

血糖の乱高下を防ぐために持続静注の方が良い気がしますけどね笑。筆者は持続でやってます。
(ガイドラインだと高血糖が遷延する可能性が示唆されていますけど、、、、)

漸減方法、投与期間については明確なコンセンサスはないみたいですね、難しいところだ、、、。

血糖管理

大体140-180程度の管理が望ましいと書かれています。200は超えないようにしたいですね。

基本は持続インスリン(ヒューマリンR)での対応になるでしょう。

輸血適応

敗血症でもHb<7、Plt<10000(出血イベントや穿刺など観血的処置必要であればもっと早めに)での輸血で構いません。

その他の高額医療について

明確なエビデンスがない医療行為

  • トロンボモジュリン(リコモジュリン)
  • IVIg
  • エンドトキシン吸着療法
  • ビタミンC大量療法
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